久しぶりに家族3人(わたし、妻、三女)で山歩きを楽しんだ。梅雨の合間の晴天に、山中の平原に咲き乱れる鮮やかな暁色のレンゲツツジの美しさと山頂からの景色を、のんびりと味わった一日だった。
前日、妻と三女に「たまには山歩きにでも行くか?」と聞くと、珍しく二人とも「行く」とのこと。この時期、梅雨の影響で山はガスっていることが多いのだが、仮にそうだったとしても、最盛期のレンゲツツジが楽しめそうな長野・群馬県境にある湯の丸山(2,101m)を目指すことにした。
上信越道の東部湯の丸インターで下車し、登山口に当たる県境の地蔵峠へ向かう。つづれ折りの道の行く手には、雲が広がっていて不安だったが、高度を上げると雲が消え、山々が顔を覗かせ始めた。地元の山々も考えたのだが、寒気が入るとのことで敬遠した。結果は正解だった。
が、地蔵峠に到着すると、ものすごい混雑ぶり。ちょうど23日(日)は、「つつじ祭り」ということで、様々な観光イベントが行われているようだった。なんとか駐車場に車を止めることができて幸運だったが、あと30分到着が遅れたら、止められなかったかもしれない。それにしてもこんなにたくさんの人がいる地蔵峠は初めてだ。
準備を整えて9時40分ごろ、登山口の地蔵峠を出発。ここの標高は1,730mだから、湯の丸山の頂上までは400m弱しかない。花を見ながらのんびり行くことにする。夏山リフトが運行されていたが、もちろんパス。いきなり始まるスキー場ゲレンデの急斜面に、妻は早くも苦戦。小1の三女は、身軽なこともあり、ひょいひょいと登っていく。それにしても登山者や見物客が多い。
リフト終点からしばらくは、平らな道が続き、「つつじ平」という平原に出ると、そこにはすばらしい景色が広がっていた。目の前の平原一面に、レンゲツツジの見事な群生が広がっていた。わたしも妻も三女も「すごい」「きれい」「見事」としか言葉が出てこない。予想していたよりもかなり壮大なスケールで群生していて、圧倒されてしまった。このつつじ平の行く手には、穏やかな湯の丸山がどっしりとたたずんでいる。登山道には、かなりの人が取り付いているようだ。
しばらくツツジをのんびり見物した後、再び登山道に戻る。東屋を過ぎ、鐘を過ぎた辺りから徐々に傾斜が強くなり、登山道らしくなってくる。それにしても登山道には人が多い。中にはサンダル履きのままで、山頂を目指す者もいた。いくら短時間とはいえ、浮石などがある荒れぎみの登山道である。国立公園内なのに、犬を連れて登っている者の姿もあり、複雑な思いがした。
富士山が世界文化遺産になったが、同質な問題を抱えているような気がしないでもない。
ふだん運動不足の妻は、景色のすばらしさを味わいながら、一歩一歩登り続けている。三女はそろそろ我慢の限界らしいが、わたしの叱咤激励に歯を食いしばって登り続いている。11時ごろ、三人とも無事に湯の丸山頂(2,101m)に到着。おおぜいの人でごったがえしているが、心地よい風が吹き、さわやかさは満点である。ここで少し早い昼食を取りながら休憩。ガスの影響も少なく、浅間山の山頂や隣の烏帽子岳、田代湖など、パノラマを楽しみながらのんびりとする。
ここから隣の烏帽子岳に足を延ばそうかとも思ったが、灰色の雲も出てきたので、次回の楽しみとして、12時前に往路を戻ることにして出発。案の定、三女が「下りのリフトに乗りたい」というが、もちろんダメ出し。半分いじけるが、走るように下っていった。13時過ぎ、登山口の地蔵峠に到着すると、イベントがにぎやかだった。ここでありがたい無料のコーヒーのふるまいをいただいた後、新鮮な野菜を購入。白菜100円、サニーレタス50円、キノコ3点詰め合わせ200円也。両親の土産にそれぞれ2つずつ購入した後、レストランで再び遅い昼食を取って帰路に就いた。
わたしに気を遣っているのだろうが、二人とも「楽しかった」「また行きたい」と言ってくれたことと、思いがけないツツジの壮大な群生に出会えたことがとてもうれしかった。
○山行日時 2013年6月23日(日)
○山行地 地蔵峠~ツツジ平~湯の丸山
○メンバー わたし、妻、三女